2008年06月15日(日)
ほんとうにあったTax Audit の怖い話
米国内で働いている人は、例外を除いてみんなそろって年度末(毎年四月)に確定申告(Tax Return)をする。寄付や経費の控除も(知っていれば)できるのでみんな真剣だ。確定申告締め切りの四月十五日前後に、郵便局が混雑するのも街の風物詩である。
Tax Returnをすると税制がよくわかるので、全員Tax Returnすることに、僕は賛成。ただし、みんなが申告する分、税務調査(Tax Audit)の恐怖も皆に等しく訪れる。多くの人が語るところではTax Auditは抜き取り式の調査で、よっぽど運が悪くないと引っかからないらしい。ただし万一引っかかると、徴税ノルマを抱えた税務官が隅から隅まで本気(マジ)で調査するということで、とてもとても恐ろしい。
さて、これは本当にあった恐怖のお話。
二月某日
税務署(IRS)から分厚い封筒が届く。分厚い時点で中身はひとつしかないのだけれど、ビクビクしながら開封。
まずは車一台分くらいの請求書を見て、夢を見ているのかと思いたくなる。
内容は一年近く前の2007年度分のTax Returnについて、支払い請求書だ。質問ではなくて、いきなり請求書から来るところがまた怖い。
申請してから一年近く経っているので、10%程度の利子もバッチリ請求。利子を増やすためにワザと寝かせているのでは、と邪推してしまうが多分そのとおりなんだろう。
中身は前職での社内持ち株会(ESPP)の申請について、ということで実は一安心。これまでも、同じ内容のAuditが何回かあったため。
給与処理の都合で、ESPPで得た利益は給与明細にすでに含まれているので、あえて別枠の株取引としては申請していなかった点への指摘。確かに通常の株式売買の申請方法とは違うため、まぁチェックが入ったとしてもおかしくはない。株式売買や銀行の利子、給与明細などの書類は税務署に電子的に転送されているため、これをきっちり申請しないと機械的に監査の対象になる。
こういうときは、あわてず騒がずお手紙(Letter)を書く。Letterの内容は恥ずかしながらこんな感じ。文中"W-2"とあるのは所得明細のフォームのこと。
Dear IRS.
Re: notice of proposed changes (Notice Number: CP2000)
As I reviewed my tax return of 2007 carefully, it turned out all the points indicated are related to the employee stock purchase plan of 会社. I think all of those profits are already reported in W-2 (14 other, amount of 金額 DSQDSP) and federal income tax was withheld already.
I enclosed a copy of W-2(from 会社) and form1099-B (from broker). Please review those and process it appropriately.
Sincerely.
Hakuro Matsuda
2/**/08
証拠書類の(原本ではなく)コピー、税務署からの請求書を同封して郵送する。請求書には、「全額認めて払う」、「一部とりあえず払う」の二択しかないのだけれど、強気でどちらも選ばない。
郵送には Certified Mail(日本で言う書留)等の到着確認をつけることを忘れずに。米国の郵便事故はかなり多いし、無事に到着したとしてもCertifiedがついてないと、そのまま闇に葬られることも、時々ある。
このあと、数週間経つとIRSからお手紙が来る。
「資料は受け取りました。(必ず)連絡するから待っていてね」
トホホだ。
四月某日
忘れたころに、IRSから封筒が届く。
またしても分厚いので意気消沈しながら開封すると、前の内容については何もなかったことになっていて、ぜんぜん別件の指摘。しかも金額は1/3程度に減少している。
一歩前進ではあるが、泣ける請求であることは変わらない。
中身は、前職のストックオプション行使について。
ストックオプション取引の際に、所得税が天引きされていたのだけれども、通常の株式取引ではそんなことはしない。このためか、税金が支払われていないと扱われていて、追徴の請求。
これは奇妙な話で、ストックオプション行使の書類はIRSの元にもブローカーから届いている。ちょっと深読みしてしまうと、この辺で手打ちにしようというIRSからのシグナルとも受け取れてしまう。
と一瞬弱気になったが、弱みを見せると徹底的についてくるのがこういった家業の方々。
こちらも、あくまで強気でお手紙第二段を送る。Form1099とあるのはブローカーからの売買明細書。
Dear IRS.
Re: notice of proposed changes (Notice Number: CP2000, Control Number *****-****)
As I reviewed my tax return of 2007 carefully, I think “Amount Reported to IRS by Others” amount shown in the notice does not include Form 1099 amount that I received from ブローカー. And as I added the amount to reported number, it matches an amount that I reported in my tax return.
I enclosed a copy of 1099 from ブローカー. Please review those and process it appropriately.
Sincerely.
Hakuro Matsuda
4/**/08
数週間経って、またしてもIRSからお手紙が来る。
「資料は受け取りました。忘れず待っててね」
六月十四日
忘れたころに今度は薄っぺらい封書がIRSから届いた。
勝利の瞬間:)
CLOSING NOTICE
Thank you for providing us with additional information about the issue we recently wrote to you about. We are pleased to tll you that , with your help, we were able to clear up the differences btween your records and your payers record. (以下略、全部なかったことにね♪)
こうして、今年も無事にTaxAuditを乗り切ることができた。神様ありがとう。
特にやましい事がないとしても、巨額の請求書を見るのは気分の良いものではない。トラブルを避けるという観点からは税理士に申告をしてもらうのも割に合っているだろう。
とはいえ、自分でAuditを乗り切ることも中々面白いものだ。自分の正当性を合理的に主張して押し切るっていうのはアメリカ人は小学校から訓練されているけれども、自分にとってはまだまだ未知なことも多い領域。偶にはAuditを受けるのも悪くはないな、と1マイクロ秒位は思ってしまった今日この頃だ。
Tax Auditに関する日本語の顛末は下のBLOGにも詳しい。みなさん苦労してますなぁ。
http://www.cotton-tree.com/garyu/archives/2007/01/irs_tax_audit.html

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>無事に到着したとしてもCertifiedがついてないと、そのまま闇に葬られることも、時々ある。
いかにもやりそうだよね。USCISとか、IRSとか、DMVとか。
勉強になりました。
P.S. wablog って live.co が禁止ドメインになってるんだ... このコメントにも半角で記入したら弾かれた (- -; ということで、メールアドレスも URLもブランクで失礼 m(_ _)m