My life as an APE

ゲーム開発、アメリカ生活、その他よしなし事

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2007年05月
AMD社からDirectX10対応GPU「R600」シリーズ発表ということでスペックを眺めてみる。

ブロック・ダイアグラム
ブロック・ダイアグラムで目を引くのは、
・GraphicRAMを混載にしなかったことで、ColorBuffer、DepthBufferのCompress/Decompress回路が入っている
・L2TextureCacheの存在、L1VertexCacheはL2TextureCacheから引っ張るようだ
・DX10対応ということで当然だがGeometryAssemblerの追加
といった点。
HD 2400のスカスカ感にも、もののあはれを感じさせられる。Hi-Zもなしか~。

スペック上の見所
http://ati.amd.com/products/radeonhd2900/specs.html

Double-sided hierarchical Z/stencil buffer
Early Z test, Re-Z, Z Range optimization, and Fast Z Clear

これはなかなか面白いかと思う。これまで深度比較条件等を変更するとHi-Zは一億総フラッシュする必要があったがそれも不要そう。また最大、最小値を同時に保持することで何かトリッキーなこともできそうだ。

Lossless Z & stencil compression (up to 128:1)
Lossless color compression (up to 8:1)

さらばDoughterDie。

Percentage Closer Filtering (PCF)
nVidia的には今更感があるが、ついにATI系にも実装されたようだ。諸般の事情は解決されたのだろうか。

Spatial/temporal dithering provides 30-bit color quality on 24-bit and 18-bit displays
これも期待。出力段8BPPというのは、もはや少ないだろう。

Integer and Bitwise Operations
Integrated HD audio controller with multi-channel (5.1) AC3 support, enabling a plug-and-play cable-less audio solution

極私的にはこの辺が一番うれしい。

マーケティングHypo
あくまでなんとなくだが、微妙に旧来の「Vertor4+RCPユニット」を「5wayのスーパースカラシェーダプロセッサ+VLIW」と表現しているのかな~、という雰囲気も漂う。違うかもしれないが。確かに、そう表現しようとすればできなくも無い。反応する側も「解っていて釣られている」のだろうな、と想像力を逞しくしてみる。

ベンチマーク結果
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2007/0514/tawada104.htm
特に感慨は無いが、やはりテクスチャフェッチ系はnVidia強しか。

ゲーム業界誌"GameDeveloper"April 2007号にゲーム業界給与調査(2006年版)が掲載されている。この調査は2004年から毎年一回実施しているもので、ゲーム業界内での職種(プログラマ、アーティスト、ゲームデザイン、プロダクション、QA、オーディオ、ビジネスの7業種)、経験年数ごとに平均給与を調べている。

北米のプログラマの2006年平均年収はこんな感じとでた。
平均$80,886
経験3年以下3-6年6年以上
StaffLeadDirectorStaffLeadDirectorStaffLeadDirector
57,91373,311N/A74,70780,13291,94488,84198,152119,141
上記基本給与のほかに、ボーナス、ストックオプションなどが平均$12,924

傾向としては去年より微増。他業種のプログラマと比べても平均的な水準で、他職種と比較するとかなり良いほうだ。
なお、代表的な250職種の総合ランキングをつける"Jobs Rated Almanac"では、ソフトウェアエンジニアは総合4位につけている。
http://www.egguevara.com/shopping/articles/jobsrated.html

他リージョンとの比較としては、
アメリカ:$80,866
カナダ:$62,596
ヨーロッパ:$53,703
との数字。税制や物価の違いはあって一概には言えないが、アメリカのプログラマ給与が突出している。

日本は(チームにも依るが)感覚的にはヨーロッパに近いあたりの水準だろうか。
日本での問題点としては、プログラマの職種が他業種に比較して相対的にツライポジションにあるところだろう。
個人的に精神的な開発論云々よりも、こうした即物的な点を解消することが明るい未来に直結するんでないかと、そこはかとなく思われる。
こうした情報は、無意識か意図的か、なんとなく避けられているような雰囲気もあり、敢えて触れてみる。

写真は、いつもの駐車場の脇にさり気無く停泊中の軍艦。

和製SFはあまりなじみが無かったのだが、とある方の三大ベストSFということで手にとって見た。小松左京は「さよならジュピター」、「首都消失」が80年代の映画化時に読んで以来だ。ざっと20年振りだ。
本作では、プロローグ、エピローグのなんともいえない情緒感に、独特の魅力がある。SFであって同時に日本の民話のような、熱海のひなびた温泉旅館で古典ビデオゲーム「エクセリオン」を遊ぶようなこうした不思議な感覚は邦文小説ならのもので心地良い。

粗筋はA.C.クラーク「幼年期の終わり」~「2001年宇宙の旅」、W.ギブスン「ニューロマンサー」等大勢につならる系譜の人類種の進化の行く末について夢想するものだ。それにスパイスとしてスパイ大作戦的な冒険活劇が加わるが、やや香辛料が効きすぎかもしれない。

物語では、知性体としての人間の思考が肉体のくびきから離脱してより高い階層に上昇して行く姿が描かれる。ここでの重要な問題は人間の思考が肉体を離れて抽象化することができるかどうか、という点につきるかと思う。

こうした問題については意外と近い未来にある程度の道筋がつけられるのでは、という気もする。
http://www.technobahn.com/cgi-bin/news/read2?f=200705011520&page=2
IBM研究所、スーパーコンピューターでネズミの脳活動の再現に成功
もし仮にネズミの意識がマトリクス上に再現できるのであれば、より複雑な人間の意識は、より複雑なハードウェアによって再現できると言ってよいのだろう。

もしそれが人間の意識の本質であるのなら、その発見によって人類種は生きる目的の半分、次世代に命を繋ぐという目的は達成しつつあると言えるのではないか(のこり半分の目的は、種として生き続けることか)。
逆にマトリクスでの意識の再現が不可能だとすれば、それでは矢張り星の寿命を超えて生き延びて物理的に太陽系外に旅立っていくことが人類のゴールとなるだろう。
いずれにしても、遠い子孫が宇宙で生き延びてくれることを切に願う。それが本書のような人類の意識の進化によるものか、技術の進歩によるものかは、果たしてよく分からない。



写真は日本の実家からプレゼントの鯉のぼりで、小学校の「Kid'sDay凧揚げイベント」にゲスト出演したもの。
「鯉のぼり」は魚型の凧と認知されているようで「日本でも皆凧揚げするの?」と聞かれ、子供たちも鯉のぼり型の凧を一生懸命飛ばしていた。
うーん、そうだったような、そうでも無かったような。

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Hak
カルフォルニア在住の最適化エンジニア。ゲーム機開発、ミドルウェア開発に携わる。最近はコンパイラ開発が趣味。子供二人。 Twitter
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